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「ダイレクト納付って、設定すれば銀行に行かずに、税金の支払いが一瞬で終わるらしい、でも始め方がよくわからない…」
そんな方に向けて、この記事では国税(e-Tax)と地方税(eLTAX)の両方について、始め方を解説します。
実際にもっとも知っておきたいのは「届出を出してから使えるようになるまでの日数」です。目安として国税は法人の場合郵送手続きなので3週間〜1ヶ月、地方税は金融機関への登録分が約2週間かかります。
①ダイレクト納付とは
ダイレクト納付とは、届出をした預貯金口座から、即時または指定日に税金を納付できる仕組みです。国税はe-Tax、地方税はeLTAXをそれぞれ利用します。
金融機関の窓口に行く必要がなく、オンラインの操作だけで納付が完了するため、経理業務の効率化に直結します。振込手続きが不要になるだけで、かなりのメリットです。
届出時に、法定納期限に自動で引き落としを行う「自動ダイレクト」という選択肢も国税・地方税ともに利用できます。一度設定すれば、期限を忘れて延滞税が発生するリスクを防げます。
| 区分 | 対象税目 |
|---|---|
| 国税(e-Tax) | 法人税・消費税及び地方消費税・所得税(確定申告分・予定納税)・源泉所得税・相続税・贈与税 など |
| 地方税(eLTAX) | 法人住民税・法人事業税・固定資産税・個人住民税(特別徴収) など |
国税・地方税ともにほぼすべての税目に対応しているため、一度設定すれば幅広い場面で使えます。
②【国税】事前準備(届出〜開通)
国税のダイレクト納付を使うには、「国税ダイレクト方式電子納税・収納機関納付ダイレクト方式電子納税届出書」を税務署に提出します。
■ 法人の場合(郵送手続き)
- 国税庁のサイトから届出書をダウンロード・印刷
- 法人名・所在地・納税地・利用する預貯金口座情報を記入
- 届出書を所轄税務署へ郵送
- (税務署側)金融機関との確認手続きが行われる
- 手続き完了後、e-Taxにてダイレクト納付が利用可能に
★ここが重要ポイントです
届出を出してから実際に使えるようになるまでに3週間〜1ヶ月はかかります。「来月の納付に間に合わせたい」と思ったら、今月中に届出を出すくらいの余裕が必要です。
決算月や消費税の納期限が迫っているタイミングで「ダイレクト納付を使いたい」と思っても、間に合わないケースが多いので注意してください。
■ 個人の場合(オンライン申請あり)
個人の場合は、e-Taxのオンライン上から届出を提出できます。法人と比べて手続きがスムーズで、比較的早く開通します。ただし、金融機関との確認手続きが入るため、即日で使えるわけではない点は同じです。1〜2週間程度は見ておきましょう。
★手続き完了後の確認
届出後、「ちゃんと手続きが完了したのか?」が気になると思います。e-Taxにログインすると、ダイレクト納付の利用可否が確認できる画面があります。
③【地方税】事前準備(eLTAXでの届出〜開通)
続いて地方税です。国税同様に、即日または指定日に地方税を納付できる仕組みですが、手続きの流れが国税とは少し違います。
届出手順
- eLTAXにログイン(デスクトップアプリをインストールしておくのがおすすめです)
- 口座情報の登録画面から、ダイレクト納付用に使う口座情報を登録
- 「地方税ダイレクト納付口座振替依頼書」が印刷できるようになる
- この依頼書をダイレクト納付対応の金融機関へ郵送
- 金融機関側の確認完了で、eLTAXからダイレクト納付が利用可能に
国税との最大の違いは、郵送先が「税務署」ではなく「金融機関」だという点です。
★開通までの目安
金融機関への郵送なので、開通まで約2週間が目安です。国税(3週間〜1ヶ月)と比べると早いです。完了後は、eLTAXにログインして確認できます。
★注意点
国税同様、ダイレクト納付に対応していない金融機関があります。届出前に、利用予定の口座の金融機関が対応しているかを確認しておきましょう。e-Tax・eLTAXそれぞれのサイトに対応金融機関一覧が公開されています。
よくあるトラブルと対処
★ 届出が終わっていない
ダイレクト納付が使えない原因の筆頭は「まだ手続きが完了していない」です。国税は3週間〜1ヶ月、地方税は約2週間かかるので、届出を出したばかりでは使えません。e-TaxまたはeLTAXにログインして利用可否を確認しましょう。1ヶ月以上経っても開通しない場合は、所轄税務署または市区町村等に問い合わせましょう。
★ 残高不足で納付が失敗した
失敗した場合は、再度残高を補充して納付操作を行うか、別の方法(インターネットバンキング、クレジットカード納付など)で納付する必要があります。期日指定納付の場合は、指定日の前日までに残高を確認する習慣をつけておくと良いでしょう。
★ 届出した口座を変更したい
口座を変更する場合も、国税・地方税ともに改めて届出書を提出する必要があります。変更届ではなく、新しい届出書を出す形です。変更後の口座が開通するまでは前の口座が有効なので、切り替えタイミングには注意してください。なお、ダイレクト納付したい口座を複数登録することも可能です。
★ 対応金融機関かどうかを事前に確認する
国税庁・eLTAXそれぞれのサイトで対応金融機関一覧を公開しているので、届出前に必ず確認しておきましょう。
国税 & 地方税 手続き比較まとめ
| 項目 | 国税(e-Tax) | 地方税(eLTAX) |
|---|---|---|
| 届出先 | 所轄税務署 | 金融機関(税務署ではない) |
| 届出方法 | 法人は郵送、個人はオンライン可 | eLTAX上で依頼書を印刷→金融機関へ郵送 |
| 開通目安 | 3週間〜1ヶ月 | 約2週間 |
| 完了確認 | e-Taxにログイン | eLTAXにログイン |
どちらも「届出を出してからすぐ使える」わけではないので、納期限の1ヶ月以上前には届出を済ませておくことをおすすめします。
【この記事のポイント】
- ダイレクト納付はe-Tax・eLTAXから口座引き落としによって税金を納付できる制度
- 開通まで国税は3週間〜1ヶ月、地方税は約2週間かかる(届出は早めに)
- 届出をしてから使えるようになるまでにタイムラグがある(郵送手続きが必要)
- 手続き完了後はe-Tax・eLTAXのログイン画面で確認できる
- 自動ダイレクトを使えば毎回の操作が不要になり、申告と同時に納付できる
- 金融機関がダイレクト納付に対応しているか事前確認が必要
この手続きが面倒に感じる方、「やってやるぞ」という気持ちになった時期が意外と納付期のたびに近いものです。この記事を読んだタイミングで、まずは届出書を手配しておくのがおすすめです。
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